お茶といえば、静岡茶、宇治茶などが有名ですが、地方に行けばその地域独特のお茶があります。水俣も古くからのお茶の産地。もし、あの水俣病事件がなければ、「みなまた茶」はとっくの昔にデビューを果たしていたかもしれません。しかし、不運にも50年前に起こった水俣病は、世界初の公害病として世界の注目を集め、その地名のマイナスイメージはあらゆるものに影響しました。山の産物のお茶も例外でなく、水俣の名前をつけたお茶を商品化しようとする問屋さんはありませんでした。名無し産地は、一般の人には知られることはなく、水俣は長く良質茶の原料供給地として潜伏(?)したのです。
しかし、そうした不遇の時代がこだわりの「みなまた茶」作りへの原動力となり、平成5年生産者自らがブランド化に立ち上がりました。
「水俣らしいお茶というのは、どげな(どんな)お茶じゃろか?」
「水俣病の教訓を活かした有機栽培のお茶にしたかね」
「いきなり無農薬にするのは難しか」
「いや、栽培はでける。売るほうがもっと難しか」
「そんなら、皆で少しずつ無農薬茶を増やすのはどげんかい」
「お茶を通信販売で産直にすればよかよ。飲む人の意見も聞けるし・・・」
「生産者の思いも伝わるし、よかっじゃなか」
・・・・こうした生産者の声から<みなまた茶>は生まれました。
▲TOP
|